Cloud Edge 70の分解

トレンドマイクロ社のUTMであるCloud Edge 70がジャンクで売られていたので,買ってきて分解してみた.

ハードウェア

Lanner NCA-1011OEM. ただのx86-64マシンである.

  • CPU: Celeron J1900 (2.0GHz, 4C4T, SR1UT, C0 stepping)
    • C0 stepping はQSV対応らしい.
  • メモリ: DDR3L-1333 SO-DIMM 1slot
    • max 8GB
    • 通常電圧版(1.5V)では起動しないので注意
    • 今回はメモリ抜きで販売されていたため,元々何GB搭載していたのかは不明
    • 標準搭載は4GBらしいです. (情報提供元.thanks! ろ。まのふ氏)
  • SSD: Transcend SSD370 32GB
    • SATA2 (3.0Gbps) 動作
  • NIC: Intel I210AT x 5 ports
  • 拡張
    • miniPCIe x 1
    • mSATA x 1 (half size, SATA2)
    • USB 2.0 x 2 (外部)
  • etc.
    • VGA Output (内部ピンヘッダ)
      • 2.0mmピッチ 12ピン
    • ファンレス (筐体へ排熱)
      • ファン取り付けは可能. 40mm角,厚さは10mm~15mm?
    • DC In: 12V 3A, 5.5x2.5mm DCジャック
      • 先が長めのプラグでないと接触が悪い

基板

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Cloud Edge 70 基板表面
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Cloud Edge 70 基板裏面

シリアルコンソール

シリアルコンソール用のRJ45コネクタが付いている.Cisco互換. 115200bps, 8bit, 1bitストップ,パリティなし,フローコントロールなしで接続できる. Console Redirectionが設定されているため,シリアルコンソールからBIOSを操作できる.

UEFI対応

初期設定はLegacy BIOSモードだが,UEFIモードに切り替えられる.

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Cloud Edge 70 BIOS BOOT MODE

VGA出力

基板上のピンヘッダからVGA出力を取り出せる.ピン配置についてはマニュアルに記載されている通り.コネクタはヒロセのA3B-12D-2CかMolex 51110-1260が適合すると思う.

その他

  • 20℃程度の室温でmemtest86を全コア使用で実行したところ,60℃程度となった.
  • LANポートのBypass機能は,J1を2-3にすれば無効化される.
    • 本当はマイコンにコマンドを送るとLAN Bypassを制御できるのだと思うけど,J1の2-3をショートさせProgrammingモードに切り替えると制御が死んで,NICに繋がるようになる.
  • Windows 10 (1903) 64bitも普通にインストールできる
    • 当然だがUEFIインストーラでセットアップできる
    • バイスマネージャで「Intel(R) Trusted Execution Engine Interface」がコード10 (SATATUS_DEVICE_POWER_FAILURE)になる.それ以外は問題なし
  • OS入りのUSBメモリを刺すと,USBメモリから立ち上がってくる