TX1310 M1に例のRX570を積む

この記事では,電源コネクタ変換ケーブルを用いてGPUを搭載した事例を紹介していますが, 電源コネクタ変換ケーブルの使用は火災に繋がる恐れがあるため,危険性を十分に把握した上で,適切な対策を行い自身の管理下で使用してください.

TX1310 M1が当たった

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PRIMERGY TX1310 M1は安鯖として2014年の発売から長い間親しまれており,今更普通のレビューをする必要はないと思います.

なので,今回は例のRX570を積んでみました.

電源問題

TX1310 M1は専用品の250W電源を搭載しています. もちろん,PCI Express用補助電源なんてありません. また,+12V系も二系統に分かれているため,電力の配分が難しいです.

まず初めに,電源系統をざっくりと調べてみました.

  • +12V1 (12V 15A)
    • CPU
  • +12V2 (12V 15A)
    • PCIe
    • SATA電源
    • ファン (フロント: 12V 0.75A × 2 , CPU: 12V x.xxA)
  • +11Vaux (11V 1A)
    • メモリ

12V × 15A = 180Wとなるため,+12V1と+12V2の両方が同時にフルパワーを出すと250Wを超えてしまいます.
しかし+12V1はCPUのみが接続されているため,Celeron G1820のようにTDP 53W程度のCPUを搭載しているのであれば,+12V2で180W使用しても合計は250Wに収まると思います.

+12V2系についてですが,ファンが20W程度とストレージに10W程度は必要であると考えると,PCIで使用する電力は150W以下が望ましいです.
チップセットとUSBの電源供給元の系統はわかりませんでした.

今回使用する"例のRX570"はBoard Power Limitが120Wと少し低めのモデルなので,電力については問題ないと考えました.

RX570への補助電源は, SATA電源から変換して使用しました. 使用したケーブルは以下の通りです.

例のRX570の補助電源コネクタは8ピンですが,2本あるsenseピンは内部で接続されており,6ピン用変換でも問題なく動作します.
TX1310 M1のSATA電源ケーブルは,5インチベイ向けとHDDベイ向けでピンが分かれています.どちらも+12V2ですが,ピンに流れる電流を分散するために両方から+12Vを取るようにしました.

接続したらこんな感じになりました.

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TX1310 M1に例のRX570を搭載した図

一番上のPCIeスロット (SLOT 4)にRX570を刺すとHDDベイのファンと干渉するため,SLOT 3に刺しています.
電源変換ケーブルは少し長めでないと届かないと思います.今回使用したケーブルの長さは合計で30 cmです.

構成(1)

  • ベース: PRIMERGY TX1310 M1
  • CPU: Celeron G1820 (2C2T, 2.7GHz)
  • メモリ: PC3L-12800E 4GB x 1 (シングルチャンネル 1333MHz動作)
  • SSD: Sandisk X400 256GB
  • GPU: 例のRX570
  • 電源: 250W (DPS-250AB-62A)
  • OS: Windows 10 Pro (1903)

構成(1) FFXIVベンチ (漆黒のヴィランズ)

  • 条件: 1920x1080 高品質(デスクトップPC) フルスクリーン
  • スコア: 6217 とても快適
  • 平均fps 51.97
  • 最小fps: 13

ベンチ中CPU使用率が95%以上となる場面が多かったです.単純に,Celeronでは性能が足りてないと思います.
CPUを換装すればより良いスコアが出ると思いますが,電源容量が厳しいのでCPUのTDPには気を付けたほうが良いですね.

構成(2)

メモリを 2GB x 2 にして,デュアルチャンネルにしました.

  • ベース: PRIMERGY TX1310 M1
  • CPU: Celeron G1820 (2C2T, 2.7GHz)
  • メモリ: PC3-10600 2GB x 2 (デュアルチャンネル 1333MHz動作)
  • SSD: Sandisk X400 256GB
  • GPU: 例のRX570
  • 電源: 250W (DPS-250AB-62A)
  • OS: Windows 10 Pro (1903)

構成(2) FFXIVベンチ (漆黒のヴィランズ)

  • 条件: 1920x1080 高品質(デスクトップPC) フルスクリーン
  • スコア: 6895 とても快適
  • 平均fps 55.54
  • 最小fps: 14

少々スコアが伸びました.やはりメモリはチャンネル分刺すべきですね.

気になった点など

  • GPUを刺した場合に画面が表示されないことがありましたが,BIOSからBoot→CSM Configuration→Other PCI device ROM priorityをUEFI OpROMにしたところ表示するようになりました.
  • SSDを付け外しするとブート順が変更されてOSの起動に失敗することがありました.
    • SSDMBRからLegacyモードで起動しようとして失敗しているようでした.
    • Windowsの場合は,Windows Boot Managerを1stに設定しましょう
  • メモリを増やすとBIOSのPOST画面が表示されるまで時間が掛かるようになります.
    • 2GB x 4枚のとき,電源ボタンを押してから37秒後にPOST画面が表示されました.
  • ベンチを回すとファンがうるさいです.
  • (2019/09/02追記) 電力計 (TAP-TST8N) を買ったので消費電力を測定してみましたが,FFXIVベンチ中のピークで187Wでした.変換効率が不明なので仮に90%とすると,ピーク出力は170Wくらいとなり,定格出力の68%程度なので余裕はありそうです.

あとがき

RX570を積んで常用するつもりはないので,R7 240に換装しました.