この記事では,電源コネクタ変換ケーブルを用いてGPUを搭載した事例を紹介していますが, 電源コネクタ変換ケーブルの使用は火災に繋がる恐れがあるため,危険性を十分に把握した上で,適切な対策を行い自身の管理下で使用してください.
TX1310 M1が当たった
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— 狐耳娘と添い寝したい (@v2ndev) 2019年8月28日
ちょうどSSDやGPUが余っていたところなので,これに載せて軽作業用に使わせていただきます😁
おっとサーバ店さま,ありがとうございます! pic.twitter.com/H6RqwMp0JK
PRIMERGY TX1310 M1は安鯖として2014年の発売から長い間親しまれており,今更普通のレビューをする必要はないと思います.
なので,今回は例のRX570を積んでみました.
電源問題
TX1310 M1は専用品の250W電源を搭載しています. もちろん,PCI Express用補助電源なんてありません. また,+12V系も二系統に分かれているため,電力の配分が難しいです.
まず初めに,電源系統をざっくりと調べてみました.
- +12V1 (12V 15A)
- CPU
- +12V2 (12V 15A)
- PCIe
- SATA電源
- ファン (フロント: 12V 0.75A × 2 , CPU: 12V x.xxA)
- +11Vaux (11V 1A)
- メモリ
12V × 15A = 180Wとなるため,+12V1と+12V2の両方が同時にフルパワーを出すと250Wを超えてしまいます.
しかし+12V1はCPUのみが接続されているため,Celeron G1820のようにTDP 53W程度のCPUを搭載しているのであれば,+12V2で180W使用しても合計は250Wに収まると思います.
+12V2系についてですが,ファンが20W程度とストレージに10W程度は必要であると考えると,PCIで使用する電力は150W以下が望ましいです.
チップセットとUSBの電源供給元の系統はわかりませんでした.
今回使用する"例のRX570"はBoard Power Limitが120Wと少し低めのモデルなので,電力については問題ないと考えました.
RX570への補助電源は, SATA電源から変換して使用しました. 使用したケーブルは以下の通りです.
- オウルテック 電源変換ケーブル12cm OWL-CBPU005 (SATA電源→ペリフェラル4ピン) × 2本
- 変換名人 ペリフェラル(大4ピン×2) → PCI-E(6ピン)電源変換ケーブル IDEP-PCIE6P
例のRX570の補助電源コネクタは8ピンですが,2本あるsenseピンは内部で接続されており,6ピン用変換でも問題なく動作します.
TX1310 M1のSATA電源ケーブルは,5インチベイ向けとHDDベイ向けでピンが分かれています.どちらも+12V2ですが,ピンに流れる電流を分散するために両方から+12Vを取るようにしました.
接続したらこんな感じになりました.
一番上のPCIeスロット (SLOT 4)にRX570を刺すとHDDベイのファンと干渉するため,SLOT 3に刺しています.
電源変換ケーブルは少し長めでないと届かないと思います.今回使用したケーブルの長さは合計で30 cmです.
構成(1)
- ベース: PRIMERGY TX1310 M1
- CPU: Celeron G1820 (2C2T, 2.7GHz)
- メモリ: PC3L-12800E 4GB x 1 (シングルチャンネル 1333MHz動作)
- SSD: Sandisk X400 256GB
- GPU: 例のRX570
- 電源: 250W (DPS-250AB-62A)
- OS: Windows 10 Pro (1903)
構成(1) FFXIVベンチ (漆黒のヴィランズ)
ベンチ中CPU使用率が95%以上となる場面が多かったです.単純に,Celeronでは性能が足りてないと思います.
CPUを換装すればより良いスコアが出ると思いますが,電源容量が厳しいのでCPUのTDPには気を付けたほうが良いですね.
構成(2)
メモリを 2GB x 2 にして,デュアルチャンネルにしました.
- ベース: PRIMERGY TX1310 M1
- CPU: Celeron G1820 (2C2T, 2.7GHz)
- メモリ: PC3-10600 2GB x 2 (デュアルチャンネル 1333MHz動作)
- SSD: Sandisk X400 256GB
- GPU: 例のRX570
- 電源: 250W (DPS-250AB-62A)
- OS: Windows 10 Pro (1903)
構成(2) FFXIVベンチ (漆黒のヴィランズ)
少々スコアが伸びました.やはりメモリはチャンネル分刺すべきですね.
気になった点など
- GPUを刺した場合に画面が表示されないことがありましたが,BIOSからBoot→CSM Configuration→Other PCI device ROM priorityをUEFI OpROMにしたところ表示するようになりました.
- SSDを付け外しするとブート順が変更されてOSの起動に失敗することがありました.
- メモリを増やすとBIOSのPOST画面が表示されるまで時間が掛かるようになります.
- 2GB x 4枚のとき,電源ボタンを押してから37秒後にPOST画面が表示されました.
- ベンチを回すとファンがうるさいです.
- (2019/09/02追記) 電力計 (TAP-TST8N) を買ったので消費電力を測定してみましたが,FFXIVベンチ中のピークで187Wでした.変換効率が不明なので仮に90%とすると,ピーク出力は170Wくらいとなり,定格出力の68%程度なので余裕はありそうです.
あとがき
RX570を積んで常用するつもりはないので,R7 240に換装しました.